IEEE WCCI2022という学会に参加,発表してきました.その内容について,報告します.
この記事は,全4回の連載企画です.
WCCI (WORLD CONGRESS ON COMPUTATIONAL INTELLIGENCE)は,米国電気電子学会IEEEが主催する計算知能CIに関する世界最大の技術イベントです.CI分野の3会議の合同会議であり,隔年で開催されます.
CI分野の3本柱,ニューラルネットワーク,ファジイ,進化計算に対応する各会議が一緒に開催され,2,000人を超える技術者,研究者が一堂に会します.
CECは,ACM GECCOと同じく進化計算分野のトップ国際会議の1つです.チュートリアル講演,コンペティションが多いことが特徴で,過去のコンペティション問題がベンチマークとして良く利用されています.
論文採択率は50~60%程度です.2015年のCECは日本(仙台)で開催されています.2023年はアメリカ(シカゴ),2024年は日本(横浜)で開催されます.
WCCI 2022は,7月18(月)-23(土)の期間,イタリアのパドヴァで開催されました.前回のWCCI2020は完全オンライン形式での開催でしたが,今回はオンライン,ハイブリッド形式ではなく対面形式で実施されました.
学会会場は,Padova Congress Centreという,今年竣工されたばかりの新しい建物です.国立競技場や角川武蔵野ミュージアムで有名な隈研吾がデザインを手掛けています.
主催者発表によると,3000件を超えるアブストラクト,2646件の論文が投稿されたようです.また,2068人の査読協力者がいたようです.投稿された論文のほぼ半分,47%は中国から投稿されました.2位アメリカは10%,3位ブラジルは6%でした.日本の占める割合は3%で,ギリギリTOP10にランクインする状況でした.
採択された論文数は,IJCNN 1090件,FUZZ-IEEE 154件,IEEE CEC 223件の合計1467件でした.今年のWCCIとしての論文採択率は55%になります.FUZZ-IEEE,IEEE CECにて採択された論文は,全て口頭発表になりました.IJCNNは口頭発表とポスター発表に分かれました.
whovaというアプリを使って,オンラインコミュニケーションや発表ビデオの視聴ができました.
簡単に宣伝用のカッコイイ画像を作ることができました.
イタリアはヨーロッパの国の1つで,国土が長靴の形として有名です.パドヴァはイタリアの北部,水の都ヴェネツィアの西に位置しています.最寄りの空港はヴェネツィア・テッセラ空港で,約50kmの距離があります.800年の歴史を持つパドヴァ大学,ジョットのフレスコ画があるスクロヴェーニ礼拝堂が観光名所として有名です.
事前準備レポートとして,IEEE WCCIに関する一般情報をお伝えしました.
次回から,自分の実際に体験したことをお伝えしていきたいと思います.お楽しみに.