RubyKaigi 2024 に参加してきました (@tk0miya)


2024年 05月 30日

先日開催された RubyKaigi 2024 に参加してきました。

今回もさまざまなトークを聞き、多くの開発者やコミュニティの友人と交流することができました。

トーク

今回見聞きしたトークの中で、特に印象に残ったものをいくつか紹介します。

Writing Weird Code

tompng さんによるオープニングキーノートは圧巻のひとことでした。
6つの Quine はいずれもマジカルで、おそらくすべての聴衆が理解できない、まさに “weird” なコードの数々を見せてもらいました。

それぞれのコードは GitHub で公開されていますが、あらためて眺めてみたものの、やはり何をやっているのかさっぱりわかりませんでしたw

Ruby Mixology 101: adding shots of PHP, Elixir, and more

Ruby に対して、他の言語の文法要素を取り込むとどうなるのか、という実験をしたお話でした。他の言語の機能を見て、「あれいいよね」と思考実験で終わらせず、トランスパイルと ruby.wasm の組み合わせを用いて、実際に実装して、動作させるのは非常に面白い試みでした。

このトークでは

  • PHP の ??= 構文
  • メソッドオーバーロード
  • インスタンス変数の初期化の簡略化
  • Anonymous Struct

といった要素を Ruby に取り込むとどうなるのかの紹介がありました。実際にあたらしい文法が組み込まれた Ruby に触ることが出るのは面白いですね。

スライドやソースコード、各種サンプルはこちらからたどることができます。おもしろいので、実際に触ってみてください。

The state of Ruby dev tooling

このトークは僕が直接聞いたわけではないのですが、X のタイムラインに流れていた内容が気になっているトークです。

僕が(間接的に)見聞きした情報をまとめると、以下のようなトークだったようです。

  • Ruby の開発ツールは断片化しており、選択コストや学習コストが掛かるという問題提起
  • Rust や Go などでは開発ツールが 1つに集約されコストが低く抑えられている
  • Ruby でも同様の環境を目指すべきだという提言(?)
  • そのひとつとして、発表者は Ruby LSP を通じてツールの集約と開発体験の向上を目指している
  • また、LSP サーバが複数ある状態も改善していくため、Ruby LSP にアドオンの仕組みを追加した

僕自身が開発ツールに関わっていることもあり、このトークは身近で興味深いものでした。時間が取れれば Ruby LSP Addons にも触れてみたいですね。

なお、この記事を書きながら、あらためて発表者の名前を見てびっくりしました。vinistock さんは ruby-lsp のメンテナさんですね。以前、ruby-lsp に PR を出した際 にお世話になったので、ハッとしました。

交流

トークだけでなく、今回の RubyKaigi は会期中にさまざまな人と交流してきました。

  • 毎日一緒に仕事をしているけれど、なかなか顔を合わせる機会のない同僚たち
  • X 上ではよくお見かけしている実況勢の方々
  • 以前一緒に仕事をしていた元同僚たち
  • Ruby の型にチャレンジする同士たち
  • これまでに地域.rb やさまざまなイベントでお会いしたことのある方々

今回はちょっと勇気を出して、お礼を伝えにいったり、意見を交換しにいったため、多くの人と会話することができました。去年の RubyKaigi や Kaigi on Rails あたりから、積極的に地域.rbでトークをするようになったこともあり、以前より顔見知りも増えたような気がします。

おかげさまで、今回の懇親会はぼっちにならずに済みましたw

いろんな人と話をして、アイディアを交換したり、次の約束をしてみたりと、次に繋がるものや刺激になるものをもらったので、次はなにかお返しできるように頑張ろうと思います。

謝辞

弊社の学習支援制度により、チケット代と渡航費用、そして宿泊費用の一部が支給されました。
この制度に助けられて毎年 RubyKaigi に参加できているので、改めて弊社に感謝したいと思います。
(自分がカンファレンスに行くためにこの制度を整えてもらったので、ある意味自作自演ですがw)

弊社、来年の松山もよろしくお願いします。