2018年 10月 10日
10月6日(土)から7日(日)にかけて、六本木ニコファーレで開催された「数学の祭典 MATH POWER 2018」のイベントコンテンツとして弊社が提供した巨大ナンプレが、ギネス世界記録™に認定されました。
本イベントは、ドワンゴの技術書出版部門の「アスキードワンゴ」と、大人向け数学教室を展開する「すうがくぶんか」、「和から」の共同主催で開催される数学の祭典です。
3回目を迎えた2018年は、チケット完売に始まり、同時配信されていたニコニコ動画の視聴者数は最大時5万人を越え、大盛況のうちに幕を閉じました。
今回ギネスに認定されたのは、「最大のマルチナンプレ・パズル 世界一に挑戦!」企画。来場者が会場に掲示された「最大のマルチナンプレ・パズル(Largest multi-sudoku puzzle)」をイベント時間内に完成させる耐久企画です。
イベント当日は、会場に設置された巨大ナンプレボードに向かい、黙々と取り組む多くのナンプレファンの姿が見られ、その熱い意気込みにより、イベント開始から21時間が経過した10月7日の朝9時20分に見事完成となりました。
イベントのフィナーレでは、ギネス公式認定員による認定書授与のセレモニーが行われ、弊社のAIイノベーション部 知識工学センター藤原博文が代表で認定書を受け取りました。この記録は株式会社タイムインターメディア、株式会社すうがくぶんか、和から株式会社、株式会社ドワンゴの連名で認定されました。
弊社のAIの進化計算技術を使い、極限まで最適化することで実現した本巨大合体ナンプレは、下記のリンクからダウンロードして頂けます。
近年AIは、囲碁、将棋にディープラーニング、機械学習などの技術が応用され、急激に進化しました。
その影響はゲームにとどまらず、自動運転、医療画像診断等までにも波及。人間、さらには専門家以上の性能を示し、多くの職業が無くなるのではと危惧されています。
とはいえ、複雑で専門家にしかできないと思われている社会の仕事には、ディープラーニング、機械学習などでは解決が困難な問題も多くあります。
その典型的なものがパズルです。
多数の条件がお互いに影響しあう際、全てを満足させる事はとても困難です。
規模が大きくなるに従い、難易度は劇的に上昇。コンピュータの性能アップ、たとえスーパーコンピュータを使っても不可能でした。
この分野では、進化計算という生物の進化の仕組みを参考にした方法を取り入れることで、パズル作家の能力だけでは不可能な世界が開けました。
パズルの問題を自動生成する技術は、さまざまなスケジュールを構築する事にも適しており、高専・大学の時間割の自動生成に応用しています。
その他にも、パズルを彷彿とさせる課題、これは成立しにくいと思われる条件を何とか成立させる課題には、ほぼ応用できると思われています。
一般にスケジュール問題と呼ばれているもので、大学などの時間割などが典型です。
進化計算は計算量が非常に多いため、プログラムの高速化技術も必要となります。
今回はそれらの技術の集大成であり、分かりやすい例として、280合体ナンプレという世界最大のサイズのナンプレ作成にチャレンジしました。
※ギネス世界記録(TM)はギネスワールドレコーズの登録商標です。