仕事のやり方は、人によって非常に違う。
一定のやり方を一定時間続けると、一定の量の仕事ができると思われるかも知れないが、現実にそのようなことはほとんど無い。
プログラム開発の場合、長時間働くだけで良いものができる訳ではない。必要な情報、知識、経験などがあるかどうか、どういうシステムを要望されているのか、その他様々な条件を考慮して開発しなければならない。
失敗をよくする人は、自分の失敗を何とかするために長時間働かなければならないことが多い。実情を知らない人は、非常によく働く勤勉な人だと思うだろう。しかし、そういう人が作ったプログラムは危ない。まだ見つかっていないバグが多数潜んでいて、いつ発覚するかも知れない。
長時間かけた料理より、手際よく作った料理の方が美味しい。手術が長時間におよぶと、患者の負担が大変になる。システム開発でも、予定作業時間を大幅に超える場合は、悪い知らせだ。それでも、長時間働いているというだけで評価してしまう人がいる。
一方、働く時間をできるだけ短く、働いている間はできるだけ集中しようとする人もいる。時間ではなく、実力や、仕事の質こそ重要だという人達だ。実力主義の人々は、仕事はさっさと済ませ、気分転換や自己研鑚に時間を使う。
実力と努力、どちらが重要か。どのように評価するかは難しい。仕事によって、最低限要求されるレベルがあり、これ以下の実力では話にならない。この最低限の実力というのも、仕事により非常に差がある。
さて、特定の仕事に限定した場合、実力と努力はどちらが重要であろうか。極めて高い実力があるけれど努力しない人と、極めて勤勉だが実力がイマイチの人、どちらが仕事ができるだろうか。
実力×努力で通常決まる。一方がいくら高くても、多方が0では、成果は0にしかならない。実力主義だけれど、やはり努力もある程度しなくてはとか、努力主義だけれど、それだけでは駄目なので技術力の向上も目指さないと、と思わなければならない。しかし、現実はもっともっと複雑だ。