採用最前線物語 – 24.失敗を成功の元にすべし


採用最前線物語

執筆:H.F

失敗を成功の元にすべし

教育の場合、努力すれば達成できる程度のことをする。既にどうすれば良いかが分かっている事を、自分にも分かるようになるための訓練をする。それでも、ゼミ、実習、実験などを行うようになると、テキストで習った通りにはならなくなる。それでも、あまり失敗はしないように初めから仕組まれている安全が確保された世界だ。

仕事では、書籍などで得た知識に基づいて作業を行っても、うまくいかないことがもっと増えてしまう。大学などは非常に限られた小さな世界だが、現実の世界は複雑だ。絶対正しいと信じられていることを行っても、逆に失敗の原因になることがしばしばある。失敗の原因を技術に求めがちだが、多くは人間系の問題が多い。

Web サイトを作る場合でも、目的によって微妙に、あるいは派手に異なる。正確な情報をきちんと伝えることが至上命令のところもあれば、少々の誤差は無視して、速報性を重視することもある。デザイン重視もあれば、デザイン無視もある。発注者と開発者の意見がぴったり合っても、それで成功するわけではない。最終的な判断は利用者で、誰も来ないWEBサイトは大失敗だ。

企業では、何とか他社と差別化しようと努力する。つまり、競争相手のいないようなビジネスをして、高い収益性を確保しようとする。しかし、それは同時に、誰もやっていない事への挑戦であり、失敗する確率が高くなる。

そんな努力をしなくても、失敗はいくらでも発生する。失敗した場合、原因を明らかにし、同じような失敗をくり返さないようにしなければならない。同じ失敗を何度も繰り返さなければ、どんどんレベルアップできる。

減点主義教育、事なかれ主義の影響か、自分の失敗に気づいても、何とか失敗を隠そうとしたり、早く忘れようとする人が多い。しかし、それは重大な機会損失だ。まだ失敗の印象が強いうちに失敗を分析し、原因を探れば、以後に同様の失敗をしなくて済む。隠蔽している間に、トラブルは更に悪化する。

人の失敗を聞くのは面白いものだ。自分の失敗を示して教えを請い、また他山の石としてもらうべきだ。世の中で一番勉強になるのは、一度失敗することである。失敗から逃げず、知識や経験を積めるチャンスとして捕えよう。