「初心者歓迎、入社前に事前研修を行ないます」という甘い言葉につられると地獄にはまることがしばしばある。
こういう場合は、就職と同時に、あるいはできるだけ早い時期に、新卒をどこかに売り飛ばそうという場合が少なくない。
基礎能力が十分高ければ、採用する側も見る目はあるので、ちゃんとした企業、それなりの企業、ベンチャーなど、比較的希望に近い会社に入れるだろう。入社してから、ちゃんと教育、研修があったり、自分にとってキャリアアップに役立つことを社内で見つけられるだろう。
希望する会社に決まらないとき、あるいは能力はないのだけれど何とかならないかと思ったとき、初心者歓迎には心を引かれるかもしれない。ちゃんと入社前に事前研修まで行なってくれるのか、とても親切だ、幸運に恵まれていると思うだろう。
しかし、残念ながら、基礎能力もない新人を喜んで採用する企業など、世の中にはない。そんなことをやっていては、企業は経営が成り立たない。初心者歓迎には、通常ワナがある。必ずあるとまでは言わないが、ほとんどの場合にワナがある。少なくとも、初心者歓迎に対応する負担を当然強いられる。
入社前研修は、派遣のために行なっている場合がある。会社のポリシーとか、その会社で社員としてやっていくために必要な独自の情報を教えているのなら、まだ安心だ。それが、小手先の技術ばかりに終始していると危険だ。
ソフト開発では、多重下請構造が激しいが、派遣も下請構造が激しい。多重派遣をしているようなところは、教育して社員を育てて行こうとは思っていない。そして、自分は一体どこの社員、ということになる。
新卒で、まんまとこういう悪循環のスパイラルに入ってしまう人が後を断たない。こういう職場は、当然 3K どころか、7K、8K が当たり前だろう。
甘い言葉には注意しよう。