採用最前線物語 – 36.新卒採用詐欺対策(6)


採用最前線物語

執筆:H.F

新卒採用詐欺対策(6)

今までは、詐欺的採用に引っかからないために注意すべきことを書いてきた。今回は、就職活動している学生から個人情報を盗み取ることを目的としている詐欺を紹介する。

就職活動している学生の多くは、よりよい企業へ就職したいと思っているだろう。だから、就職活動で有利になれたり、希望している業界へ入れそうなら、個人情報を登録したりすることもあろう。希望する企業や業界の関係者を紹介してくれるのなら、お金を払っても良いと思っている者もいるかも知れない。

何とかして、希望する企業に入りたいという強い気持ちは大切なのだが、世の中にはそれを悪用しようとする者も当然いる。人をだますには、「藁にもすがる気持ちになっている者」を狙うのが鉄則だ。なかなか就職が決まらないからといって焦ってしまうと、うっかり罠にはまるかもしれない。

このところ、個人情報の漏洩問題がしばしば報道されている。報道されていない部分の方がはるかに多いと思うべきで、個人情報を盗む側は、あの手この手で盗もうとしている。それも、単なる個人情報ではなく、個人についてより詳しい情報、役立つというか、悪用できそうなものを狙っている。

就職活動している学生の個人情報は、価値が高い。だから、メールやフォームで個人情報を送る場合は注意されたい。十分に信用できるところへ、安全な方法で送るのはよいが、罠にかかってしまうと、せっかく送った情報が自分の就職活動に役立つのではなく、勝手に個人情報が売られたりする。変なメールが届いたり、勧誘、その他の悪事にしっかり利用されるので、情報を送るときには、安全確認をしておくべきだろう。

履歴書を電子メールで送ることも珍しくない時代だ。本当に信用できるアドレスかどうかの確認をちゃんとしよう。企業のドメインでないメールアドレスなどは極めて危険だ。

最初から、非常に詳細な情報を送ることは普通はないはずだ。企業側も、相手に応じて、必要な情報を次第に集めていく。とても採用が無理となったら、さっさとお断りのメールを出す。良いかも、大丈夫かもと思えたら、会社にて面談などを行うことになる。

情報だけ取られて、その後連絡がなくなってしまう場合は、要注意だ。同じ採用情報ページを訪れて、すでにサイトが消え失せていたら、ほぼ間違いなく詐欺だったと思って間違いない。