わたしたちの会社は、IT 技術を駆使したソリューションならびにパッケージのベンダーとして生業を立てています。無論、主役はソフトウェアやネットワークなどの技術者のみなさんになります。しかし、それだけで会社が立ちゆくわけもなく、陰でひっそりと暮らす非技術者たちがいるのです。
このコラムでは、筆者も属する、IT 業界での営業系非技術者について、入門的なトピックを、少しお話してみましょう。
IT 系企業では、広義には、人事、経理、そして法務や庶務なども非技術者として存在していますが、なんといっても中心は、営業、企画、マーケティングになります。特に営業職は、SE からの転身なども多く、技術営業、企画営業、などと細かく分かれている部署も多いですね。
一般に、営業、企画、マーケティングと、代表的な非技術職を並べた場合、みなさんはどんなポジショニングを連想をしますか?
まずは上記 3 職種のイメージが業界でどう考えられているかの典型的な例を図で表してみましょう。
マーケティングは横文字ということもあって、見栄えの良さは抜群ですし、実際新卒の学生人気も高いですね。 ただし、実際の仕事は分析や解析、アンケート収集などの地味な作業が多く、それほど自由という雰囲気はないようです。
対して企画は、マーケティングほどの見栄えはありませんが、何より自由そうな雰囲気が漂います。アイディアで会社をのし上がっていくという気風が、若いハートをがっちり掴んでいるのでしょう。
では最後に営業はというと、見栄えも悪いですし、自由度もなさそうだということで、イメージは最悪、最近はなり手を探すのが困難という状況です。
これは特に新卒等の若い優秀な人たちに顕著な傾向です。礼儀や体育系のノリが煙たがられ、なにより飲み営業、平身低頭、ご機嫌伺いなど「仕事の質というより気遣い」のような成果と体質の古臭さに納得がいかないのでしょう。
実際にリクルーティングのウェブや雑誌で求人を見て頂ければおわかりになると思いますが、最近は「企画営業」「提案営業」「コンサル営業」などという名目で、企業もなんとか営業系人材を確保しようと画策しています。
こうして企業には相変わらず求められるということは、企業活動にとって重要なポジションだということの裏返しなのですが、対してなり手がいないということは、「必要悪」ということなのでしょうか?
若い世代に人気がないということは、「飲み営業」「つきあい営業」を築きあげた団塊世代の引退とともに、営業職の時代も終わっていくのでしょうか?
これからは企画・マーケティングに、営業事務がいれば事は足りるのでしょうか?
そしてもちろん、答えは NO!です。
むしろこれからキャリアを積んでいく若い IT 非技術者たちにとって、営業は最重要なのです。