就職を有利にするためには資格を取っておくことが有利です、ということで資格取得のための教材を売り付ける詐欺がある。何度面接しても採用されず、何の資格もないからと思った時に、こういう詐欺に引っかかるのであろうか。
採用する側は、普通はそれほど資格に拘らない。資格は無いよりは有る方が良い程度であり、資格がないと働けない職種でもない限り、それほど重視はされないはずだ。とくに新卒の場合は、将来の可能性についてしか評価しないので、資格は有ればなお可という程度である。中途の場合でも、資格よりも経験や実績が重要だ。
資格が仕事をする上で必要だったら、会社が講習会などに社員を行かせて必要な勉強をさせ取らせるものだ。資格商法 (さむらい商法) の場合も、様々な個人情報を書かされるであろう。信用できそうにない資格教育講座などに個人情報を渡すと、さらに別の詐欺に巻き込まれ兼ねないので注意が必要だ。
そもそも、ちょっと学習したくらいで有利になる資格などある訳がない。教材を送ってくれて、それで勉強したくらいで取れる資格を企業が高く評価するという考え方がそもそも変である。それなら、本屋で参考書を購入して学習するとかで充分なはずだ。
少々努力した程度では取れない資格こそ取得価値がある。誰もが簡単に取れる資格を取っても、差別化にはまったくならない。弁護士、弁理士、会計士など取得困難と言われているものは価値もあろう。IT 系の資格試験はずいぶんあるが、上級クラスの資格以外は評価対象にはならない。
そもそも、資格を取っていたら就職に有利だからというのは甘い。それよりも、将来何をしたいかを考えて、その中で何を勉強し、何を経験し、そしてどんな資格を取っておくべきかを考えないといけない。
学校にいる間に、頭の中だけで考えていると、社会では評価されない資格を勝手に高く評価してしまいがちだ。もし何らかの資格を取りたいのなら、資格教材セールスの話を聞くのではなく、実社会で働いている者から、どういう資格を取っておくべきだったかを聞くべきだ。
資格教材セールスは、用意している資格教材が対象としている資格の価値が非常に高いと言うに決まっているではないか。