日本では大学でも企業でも、理工系と言われている分野には女性がなぜか非常に少ない。 IT 関係、プログラム開発などにおいて、男性の方が適しているとはとても思えないが、現実としては女性の割合は低い。
個人的には、女性技術者は多数知っている。大手メーカーの研究所でずっと働いている同級生とか、ハンドバックにハンダゴテを入れていたプログラマとか、英文学科を出て事務員として働き始めたのだが、そこが IT 系の職場だったのでいつの間にか専門家になってしまい、何冊も専門書を出した人とか、大学の理工系の先生になった人とか、いくらでもいる。
夫婦で、妻がスーパーエンジニアでプログラムの研究開発をし、夫が営業をして売って回ったという例もいくつか知っている。有名な例はジャストシステムだろうか。
社内にも、技術的に中心的な役割を担っている女性技術者がいる。家庭内を見ても、娘も完全な工学系人間に育ってしまった。
しかし、現実の日本社会では、まだまだ女性は技術職に向かないという考えが根強いようだ。理工系の学部を訪問すると、本当に女子学生の数が少なくて、男ばかりで男子校かと思うことがある。
技術職、研究職に向いているかどうかは、性別よりも、はるかに個人差の方が大きい。持続的体力に関しては、どうも女性の方が優れているようだ。
ITに限っても、開発した様々なシステムは、社会で、企業で、家庭で、個人で使われる。世界の半分は女性なんだから、当然女性にも使いやすいものを作らねばならない。
消費社会は、現状では女性が権力を握っているのだから、 e コマースのシステムを作るのだったら、女性に作ってもらう方が自然ではないだろうか。
現在、世界から批判を受けてのことだと思うが、内閣府男女共同参画局が Challenge Campain という名の、女性の理工系分野進出を促すためのホームページがある。実際、そういう指示も飛んで来ている。
学生、大学、企業、官公庁、いずれもが意識改革を必要としている。