システム随想 – 〈第 14 ( 最終 ) 回〉 わたしたちの生み出すシステム


システム随想

執筆:代表取締役社長 佐藤

〈第 14 ( 最終 ) 回〉 わたしたちの生み出すシステム

まさに 「システム」とは奥が深い。
四季の移り変りも、雨が降るのも晴れるのも、壮大な宇宙の法則も、そして最高傑作 「人体の構造」もあらゆるものがシステムとしてとらえることができる。これら自然のしくみは 「天から与えられしシステム」であるが、さらに人間は豊かで幸福に生きるため社会生活に 「自ら創るシステム」も存在させる。
議会制民主主義、国連、株式市場、教育制度、医療、金融、運輸・・・・
そして今、「自ら創るシステム」の重要な道具が IT であり、 IT 抜きのシステムソリューションは考えられない時代となっている。

このような社会にあって、まさに企業活動はシステムの固りである。言い換えれば企業競争とはシステム化の戦争とも言える。
先進性・先見性のあるシステムを生み出した企業は他を圧倒できるのである。

  1. 少なくとも 5 年、できれば 10 年ぐらい使い続けられるシステムが目標。
  2. したがって将来予測も混じえたあらゆる部門の要望をベースに入念な要件定義、設計を実施する。
  3. 機能がブレークダウンできたらフィットする商用パッケージを割り当て調整し、足りない分は自ら開発する。
  4. システムソリューションベンダーは開発が主たる業務であり、まさに家を建てるがごとく完成とともに解散。次の現場へと旅立つ。
まさに 「戦艦大和」方式、コストと時間はかかるが最高の設計と技術によりどこにも負けないモノをつくり出す。

・・・しかしあえなく半年で沈没・・・・・・のケースも最近多く見かける。

私自身も長年この方式でシステムを創り出してきた。まぁ、変化の波が今ほどでなく、お金持ちの大企業や官公庁中心のシステムであったので問題にはならなかったが。

しかし価値観の変化、技術の加速度的進歩、市場 / 競争のグローバル化を迎えこれからの IT システムを考える時、次の点を強く意識しなければならない。

システムは運用して初めていろんなものが見えてくる
  本当に正しいのか、本当に成果がでるのか、本当に現場や顧客に受け入れられるかは運用しないと出てこない。また今日はよくても明日になると状況が一変することも多い。
システムは可視化すべき
  IT システムは人間が自らつくり上げるシステムであり、その構造、しくみ、ソースコードの 1 ステップ 1 ステップが見えなければならない。
「天から与えられし自然のシステム」でも人は解明に命をかける。
人体のしくみの解明でどれだけ医学が進歩したか。
人がつくる IT システムがブラックボックスであることなど許されない。
可視化することで本当の成長、進歩が実現できる。
IT システムソリューションは大企業のみならず中堅・中小企業にも必要不可欠である。
  企業活動のモデルチェンジをタイムリーに実施しないと生き残れない状況にあること。

このことを前提として生まれたのがシステムライフソリューションであり、そのソリューション実現が 「天和ビジネス」モデルである。

システムライフソリューションベンダーを目指す IT 企業が保有すべき技術として次の 3 つのソリューション技術を挙げておく。

1. ワンストップソリューション技術
  ネットワーク / データベース技術からWebアプリケーションさらにセキュリティ/リスク管理技術、プロモーション技術を全て包括する。
2. オープンソースソリューション技術
  非公開の商用技術でなく、オープンな技術を用いること。
3. フレームワークソリューション技術
  合理的で先進性のある機能の固り、いわゆるフレームワークが完備していることによりコストと時間が克服できること。このフレームワークもオープンであること。

さて、当社のシステムライフソリューションへの取組みが評価されて、このたび新宿区 ( 法人27000社 ) より「新宿区経営大賞」を受賞しました。経営者として名誉であるとともに責任の重さを痛感します。読者諸氏に報告すると共にますますのご協力をお願いする次第です。

また、この 「システム随想」今回で第 1 クールを閉めさせて頂きます。身勝手な戯言に長期間お付き合いいただきましてありがとうございました。半年間の充電期間を経て第 2 クールを新たに出発させようと思います。

皆様の御意見なりいただけますと幸いです。

長い間ありがとうございました。

PS :会社へ気軽に遊びに来て下さい。
パズルジャパンによる数理パズル体験、Kabayaki や CMS ( コンテンツマネージメントシステム ) のソリューションデモ、リスク管理やオープンソースの話し合いなど皆様と出会えることを楽しみにしています。