進化計算コンペティション2024に弊社の藤原が出題者として協力しています


2024年 11月 27日

弊社の執行役員である藤原博文が、2024年12月に開催予定の進化計算学会主催「進化計算シンポジウム2024」に関連するプログラムの一環として実施される「進化計算コンペティション2024」において、プログラマーおよびパズラーの視点から出題者として協力しています。

「進化計算コンペティション2024」での成績優秀者は、シンポジウム開催中に表彰される予定です。

本大会は毎年異なるテーマで進化計算のコンペが実施されており、今年のテーマは「難易度と面白さを考慮したナンプレの自動作成問題」です。パズル問題の自動生成に長年取り組んできた藤原は、プログラマーとパズラーの両方の立場から、本大会の出題者として協力しています。

以下、藤原のコメントです。

「ナンプレなどのパズルは、進化計算を利用することで問題の自動生成が可能です。コンピュータの性能の向上により、単に問題の自動生成をするだけではなく、指定した難易度での問題作成や、解いて面白いと感じられる問題を作る競争にしました。特に難易度は利用する手筋や解いていく順序によって大きく左右されます。

例えば、途中の局面で次に確定する箇所が少なくなると、解法が見つけづらくなります。この点を考慮し、並列抵抗の概念を取り入れることで局面ごとの難易度を評価し、より実際の難易度感覚に近づけていくことができます。
また、モンテカルロ木探索の手法を応用し、さまざまな解法順序を分析することで、難易度がどのように変化するかを評価することができます。
こうした評価を問題生成のプロセスに組み込み、進化計算を用いて理想的な問題に近づける調整を行っています。

ナンプレのような問題は、単純に解くだけなら1ミリ秒程度で完了しますが、正確な難易度評価や難易度変動の解析には膨大な計算が必要です。この計算負荷を進化計算で効率化することで、希望に沿った問題を生成できるようになりました。

進化計算の技術は、囲碁や将棋のAIが飛躍的に進化した背景と同様に、パズル問題の高度な自動生成を可能にし、今回のようなコンペ開催の実現に貢献しています。
また、この技術はパズル生成に限らず、さまざまな社会的課題の解決にも応用可能です。
当社では、この応用を進化計算ベースの『最適化AIプラットフォームTENKEI』として展開しています。」