進化計算シンポジウム2022という学会に参加してきました.その内容について,報告します.
進化計算シンポジウムは,国内の進化計算の研究者が年に一度,合宿形式でじっくりと議論する機会を持つことを目的として,毎年12月に開催される国内会議です.進化計算学会が主催し,多数の研究発表やイベントが行われます.
16回目の開催となる進化計算シンポジウム2022は,12月17日(土)〜12月18日(日)の日程で北海道大学とオンラインを会場として,ハイブリッド開催されました.
シンポジウムに合わせて,前日16日(金)にOpen Space ディスカッションが開催されました.
Open Space ディスカッションでは,進化計算の将来的な目標を,研究・社会応用・教育などの幅広いテーマから自由に議論します.
17日(土)の午前は,進化計算コンペティションが開催されました.
進化計算コンペティションは,進化計算の実応用と産学交流を促進するために,2017年から始まった最適化のコンペティションです.
18日(日)の午後は,進化計算学会の総会の他,表彰式も開催されました.
表彰式では,シンポジウムの発表者の他,過去の研究会発表者を対象とした賞の授与が行われます.
また,過去3年間(2019~2021年)に公開された進化計算学会論文誌の中で優秀な論文に対して,論文賞の授与が行われます.進化計算学会論文誌は,査読つきの学術誌(Academic journal)であり,その論文賞は1年に1件しか選出されません.
弊社の知識工学センター最寄り駅,調布を午前9時前に出発しました.羽田空港,新千歳空港,札幌駅と経由し,途中迷子になりながらも,14時に北海道大学内の会場にたどり着けました.
Open Space ディスカッションの第1セッションでは「進化計算の教え方」,第2セッションでは「研究活動TIPs:論文執筆,効率化ノウハウを共有しよう」に参加し,18時過ぎまで皆さんと議論しました.自分は,進化計算の教え方の1つとして,この技術ブログを紹介しました.
翌日の午前中は,進化計算コンペティションに参加しました.去年と一昨年は競技者として参加し,トップ賞や審査員特別賞を頂いていた自分ですが,今年は競技者として参加していなかったので,純粋に聴講者として各競技者のプレゼンテーションを聞いていました.今年は20チーム以上の競技参加があり,白熱した戦いとなっていました.
メインイベントの進化計算シンポジウムは,2会場のパラレルセッションで開催されました.そのため,どちら会場の発表を聞きに行くか,決めるのが非常に悩ましかったです.基礎的な内容から応用まで,幅広い研究を興味深く聞かせて頂きました.個人的には,魔方陣生成と迷彩模様の生成が面白い題材だと思いました.進化計算の新たな可能性を感じられて良かったです.
最終日は,進化計算シンポジウム閉会式まで参加し,新千歳空港19:10発の便に乗りました.疲れていたので,電車ではなく21:50羽田発の調布駅行の直行バスで帰宅しました.
表彰式で,進化計算学会論文誌論文賞を頂きました.受賞論文に関しては,別で記事にしたいと思います.
冬の北海道に行って,進化計算シンポジウムに参加できて良かったです.去年,一昨年のオンライン形式から,ハイブリッド形式に変更して開催できたことは,大きな前進だと思います.
今回宿泊した宿は,大失敗でした.夜は他人のいびきがうるさく,朝は5時から数分置きに目覚ましを無限に鳴らす人がいたため,完全に睡眠不足でした.次回は,ちゃんと個室の宿に泊まりたいと思います.
右の画像は,早朝の札幌で撮った写真です.札幌での散歩は,東京よりも過酷です.開いているお店を求めて歩き回っていたら,寝不足と寒さで体調が悪化しました.事前リサーチの大切さを学んだ3日間でした.