書評:『実装ディープラーニング』


2017年 04月 16日

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題名:実装ディープラーニング

株式会社フォワードネットワーク 監修

藤田一弥+高橋歩 共著

A5、272項、本体3200円

2016/11/30 発行

オーム社

ISBN 978-4-274-21999-3


本書は、題名どおり「実装」について説明した本である。
実装といっても、ゼロから実装ではなくて、世界的にも有名なデータや、ニューラルネットワークを自分のマシンで走らせる方法についての手引書といったところ。
ディープラーニングに関する基本的な知識はざっとは書いているが、ちゃんと勉強するには他書を読んだほうが良い。

使っているフレームワークなどは、適当に色々使っている感じ。

Theano, Keras, Chainer などをインストールした上で行う。
もちろん、Numpyを初めとしたPythonの人工知能系でよく使われる各種ライブラリもインストールする。
そして、そうなると問題になるのが各ライブラリのバージョンの整合性の問題に悩むことになる。
本書では、使用した各ライブラリについてバージョンが示されている。
NumPyについては、ダウングレードして難を逃れたと書かれていた。
現状で、PythonでAIをやろうと思ったら、こういうことに慣れるしかない。

また、一部はCのプログラムも紹介されている。

それよりも、GPUの利用について、本書の最初に説明がされている。
ただし、GPUは変化が激しい世界なので、かならずネットで調べるなり、すでにGPUを利用している人に聞くなりするべきだ。

10層、あるいはそれ以上のモデルでの実験を行うので、GPUを前提とした内容と思ったほうが良く、まだGPUを入手していない場合は、本書の最初のGPUの解説や、ネットの情報、NVIDIAの情報などを参考に、NVIDIAのGPUを入手しよう。

テーマは、ほとんどが画像処理ばかりという感じの本だが、最後の方に、3目並べを強化学習で強くする方法について解説しているようだ。

使用する学習データもサイズが大きくなり、どれも数百MBくらいはある。
まとめてダウンロードしようとすると何GBにもなるので、回線が遅い場合は何らかの手段を考えよう。

ディープラーニングにおいて、極度に単純な入門例の解説を読み終えて、もうちょっと本格的なものに手を出してみたい人には丁度お手ごろな本だろう。