書評:『深層学習による自然言語処理』


2017年 12月 05日

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機械学習プロフェショナルシリーズ

深層学習による自然言語処理

著者  坪井裕太、海野裕也、鈴木潤

出版社 講談社

発売日 2017/5/25

サイズ A5, 239頁

ISBN-13: 978-4061529243

定価  3000円(本体)

深層学習の本というと、やたらに画像処理の本が多いのだが、深層学習の対象は相当広く、自然言語処理にも及んでいるのだが、なぜか本が少ない。
そう思いながら、「深層学習+自然言語処理」という条件で探していて見つけたのがこの本だ。
というのとで、そもそも本自体がまだ少ない分野なので、中身をほとんど確認せずに入手してしまった。

印象を手短にまとめると、最近の技術動向、研究紹介も多く、今現在の深層学習による自然言語処理の状況を概観するにはとても良い本であった。
しかし、技術を身に着けたり、勉強しようという場合には、なかなか大変な本である。
まず、深層学習、自然言語処理などについて、ある程度の知識があることが前提になっているし、また1冊200頁程度で多数のことを紹介しようとしているので、丁寧な解説には全然なっていないのは紙面の制約でどうにもならないだろう。

数式も結構出てくるのだが、とりあえずこの分野の状況が知りたかっただけなので、大部分の式は飛ばして読んだ。
きちんと数式も説明の図も理解するには、かなり高いレベルの基礎知識が必要である。

深層学習+自然言語処理 は、ここ数年で急に立ち上がった分野で、まだまだ問題だらけ、つまり研究分野としても若い分野でやることがいっぱいあるという感じである。
しかし、言語処理は、そもそもデータを用意するのが大変だし、さらに結果が良いのか悪いのかの判定もあいまいな部分があり、画像処理などと比べると、とてもぼやっとしていると感じた。