書評:『退屈なことはPythonにやらせよう』


2017年 07月 24日

978-4-87311-778-2.jpeg退屈なことはPythonにやらせよう
Al Sweigart 著
相川 愛三 訳
A5判 618ページ
定価 3700円(本体)
ISBN978-4-87311-778-2
オライリー・ジャパン

オライリー 本書紹介・関連ファイルなど

原書: Automate the Boring Stuff with Python

本書は、2部構成になっている。

I 部  Pythonプログラミングの基礎

1章から6章までで、152ページある。
この部分は、本当にPythonプログラミングの基礎的な説明である。
まったくPythonを知らない、さらにプログラミングも知らない人が対象の説明である。
なので、多くの人は、第?部はパスして良い。

第 II 部 処理の自動化

7章から18章までで、512ページまである。
12章で、512-152 = 360ページなので、平均1章30ページ。
各章ごとに1つの技術分野を紹介する感じで、その技術を利用すると横着ができるという風に話が進んでいく。


7章 正規表現、8章 ファイルの読み書き、9章 ファイル管理、10章 デバッグ、11章 Webスクレイピング、12章 Excel、13章 PDF、14章 CVS/JSON、15章 時間制御、16章 メール、17章 画像処理、 18章 GUI
と言う感じで多岐にわたるのだが、1つについて30ページしか説明がないので、導入、概要の説明で終っている。

Pythonの基本部分はたいして大きくないので習得は容易と思うが、膨大なモジュールが存在し、一部のモジュール、たとえばNumPyなどは、標準拡張という感じで使うのが当たり前のようになっているが、それ以外については、必要になったら調べて使うという感じであろう。

本書は、できるだけ様々な分野について、横着する方法という切り口でPythonのモジュールを紹介した総合案内パンフレットみたいな感じである。
なので、本書を読んだだけではモジュールがどんなものかおぼろげにイメージが湧く程度であり、これをスタート地点として紹介されている各モジュールのサイトなどを頼りに本格的に勉強して使えるようになるだろう。